題目:与えられた位置を死守する者 ―ヤコブ路程1
説教者:柴沼邦彦
<内容紹介>
統一原理では、復帰の歴史はメシヤを迎えるための歴史であったということを学んできました。アダムの家庭でも、アダムが堕落することによって失われた「真の父」の立場、すなわち、メシヤという立場を神の前に復帰するための条件として、信仰基台と実体基台を立て、メシヤを迎えるという復帰の歴史になったということを皆さんもご存じだと思います。アダム家庭では、アベルが献祭を備えることで、アベル自身が信仰基台を立てると共に、その条件によって実体基台の中心人物となりました。しかし、アベルはその位置を与えたけれども、その意味するところを深く分からなかったことで、カインを自然屈伏させることができずに、実体基台を立てることができませんでした。その後、ノアが現れたわけですが、ノアが箱舟をつくることで信仰基台をまっとうしたものの、その子であるセムとハムとの間で実体基台を立てなければなりませんでした。しかし、実体基台を立てる上で、ハムがノアと心情一体化した土台の上で、実体基台の中心人物になるはずでしたが、残念ながらそれがなせずに、ノアに対して不信を抱くことで基台を失ってしまいました。そして、三次目としてのアブラハムの路程に入ります。聖書では神様は、アブラハム、イサク、ヤコブの神と語られている場所があります。ヤコブは三代を通して、初めて実体基台が立てられた勝利者として立っていったのです。ヤコブは神様からイスラエルという名前を与えられることによって、ヤコブの子孫はイスラエル民族を形成するようになりました。今回は、ヤコブがなぜ実体基台の中心人物として勝利できたのか、その根本はどこにあったのかについてお話したいと思います。