平和メッセージ8

天宙平和統一王国創建の真なる主人Ⅱ

 

(このメッセージは、2006年10月14日、「天正宮博物館」で開催された第五回蒙古斑同族世界平和連合総会の祝宴の時に、文鮮明先生が講演されたメッセージです。)

 

 

 天の摂理的要請によって創設され、今名実共にアベルUNとしての位相を立てていく「天宙平和連合」と「蒙古斑同族連合」の発展のために、世界各地で苦労しておられる指導者の皆様! お忙しい中、今大会に参席するために駆けつけてこられた皆様を、天宙天地人父母である私と私の家族全員で歓迎するものです。

 皆様、今回の大会は、特別に摂理的にその意義が大きく深いです。この「蒙古斑同族連合」創設以後、既に五回目の開催となる世界大会であることはもちろん、「天宙平和連合」が創設されてからの一年で、三回の世界巡回を勝利し帰国した本然の真の家庭を代表する韓鶴子総裁を歓迎する、世界的次元の歓迎大会でもあります。

 

 真の家庭三代圏の勝利

 

 私と共に韓総裁は、二〇〇五年九月十二日、アメリカのニューヨークで「天宙平和連合」を創設した直後、その創設メッセージを宣布し、世界百二十カ国の巡回を完了しました。この真の父母様の勝利的基盤を受け継ぎ、韓総裁は、今年(二〇〇六年)の春から再び二次として、世界百八十カ国でみ言宣布大会を開催し、真の子女たちを直接み言宣布に同参させることによって、真の家庭の二代が共に勝利する、実に驚くべき快挙を成し遂げました。

 この勝利は、天宙的次元でカイン圏の子女とアベル圏の子女を一つに結び、真の父母様に奉献する摂理的所有権まで転換する勝利でした。

 この勝利基台の上に、去る六月十三日には、ついに天と地が一つになり、神様と天地人真の父母様が安着される天正宮博物館奉献式と、天地人真の父母様の天宙平和の王戴冠式が挙行されました。実に、歴史上空前絶後の大勝利でした。歴史の背後で数千、数万年間涙を流され、独りで恨の摂理路程を歩んでこられた神様が解放・釈放を受け、天宙の王であり、主人として、永遠に安着される日でした。

 天正宮博物館に入住された神様と真の父母様の勝利は、今、世界六十五億の人類を天の眷属に還元させて抱く、恩赦の大長征へと続きました。去る八月三十一日、私が韓国で最初のテープを切り、三回目の出発となるみ言と祝福の世界巡回が、真の父母と真の子女たちはもちろん、真の孫と孫娘まで帯同し、真の家庭の三代圏が全世界四十カ国を巡回し、祝福を施す大長征において、堂々と勝利を勝ち取って帰国した喜びの日でもあります。今回の世界巡回が特別なのは、真の父母の家庭の三代圏が動員されたという点です。

 毎日、真理と祝福で一カ国ずつを復帰していく天宙平和王国軍の進軍でした。各国の十二箇所の主要都市で同時多発的にみ言を宣布し祝福を与える、人類最大の慶事でした。歴史上、いかなる聖人も夢見ることができなかった、真の家庭の三代が総動員されたという事実は、人類歴史に永遠に記録され、永遠に称賛される奇跡であり、天の解放的勝利です。

 さらにきょうは、私にとっても、また一つの忘れることのできない歴史的な勝利の一日でもあります。解放直後から北朝鮮の共産治下で天のみ言を伝播している途中で興南監獄に投獄された私が、二年八カ月間の獄苦を経ている中、UN軍によってついに自由の身となった勝利と解放の日なのです。一九五〇年十月十四日、その日は、天が奇跡を起こさざるを得なかった、実に危険千万の一日でした。人類の真の父母としての印を受けた私が公開処刑を受ける日だったため、天がどうして顔をそむけていることができたでしょうか。

 このような途方もない摂理的背景を含んでいるきょうという日を、私は、神様の保護のもとで、人類の真の父母として、天の前には尊貴と栄光を、地の上には祝福と愛を施す歴史的な勝利の一日として宣布するものです。

 世界の指導者の皆様! 今わずかに一年を超えた「天宙平和連合」を、私たち全員が力を合わせてアベルUNの位置に立てるべき使命が私たちにあることを忘れないでください。新しい天宙平和機構として発展させていくことはもちろん、サタン圏を代表するカイン格の既存UNを改革して、UN内に世界的宗教指導者たちで構成された上院格の平和議会を創設し、既存の安全保障理事会と同等の位置の、神様の保護を受ける議決機関として立てなければならないというのが天の命令です。

 既存のUN代表部のように、自国の権益ばかりを代弁する代表ではなく、超国家的で超天宙的な次元で心から人類の福祉と平和のために働く平和議会を創設しなければならないという意味です。

 このような神様の創造理想的目的と趣旨をもって出発した「天宙平和連合」の出現は、決して一人の人間の知恵から出てきた結果ではありません。天が、新千年を迎えた人類に下さった最高、最大の祝福です。したがって、「蒙古斑同族連合」も、今から「天宙平和連合」の天が賦与した崇高な志を成就していく伴侶として、その役割を果たすことを願います。

 そのような意味から、きょう私は、六十五億の人類にとって絶対に必要な天の啓示を「天宙平和統一王国創建の真なる主人」という題目で、もう一度お伝えしようと思います。この「蒙古斑同族連合」創設の時に与えたメッセージです。どうか心を空にして天の声に耳を傾けることができる、知恵深い指導者になってくださるように願います。

 

 実存する霊界

 

 世界の指導者の皆様! 万有の創造主であられる神様は、全人類の真の父母です。ある特定の宗教や人種、あるいは特定の地域の人々だけのためにいらっしゃる、そのような制限された概念の父母ではありません。その名称を「ヤハウェ」と言ってもよく、「アッラー」、あるいは何かほかの名前でもよいのです。重要なことは、神様は確実に存在され、万人の真の父母として、今も生きて創造のみ業を継続していらっしゃるという事実です。御自身が太初に立てられた天理原則に従って宇宙万象を経綸され、歴史を摂理しておられるのです。

 皆様、人間には心と体があり、心の上位には霊人体があり、その霊人体が入っていって暮らす霊界はもちろん、肉身が暮らしている現実世界のどこにでも神様は実存されます。そして、人間は、真の愛を通して神様と完全に一つになるとき、完全な人になるのです。このような観点から、完全な人とは、たとえ小さな個体の姿であったとしても、全体歴史を代表した存在であり、また、未来のすべての因縁を代表した存在なので、天宙的な価値を備えるようになるのです。私たちが本当に人間のこのような天宙的な価値を知れば、生きていくにおいて、心を先に立てて、従っていく人生を生きていくべきだということが明確になるでしょう。

 それで皆様の良心は、皆様のすべての言行はもちろん、考えまでも感知し、知っているのです。師よりも先に知り、父母よりも先に知り、神様よりも先に知るのです。したがって、永遠の師である良心の命令に絶対服従して生きさえすれば、皆様の永生は絶対に保障されるのです。神様の創造がそのようになっています。

 人間の構造をよく見てみると、神様は、本来人間を二重構造で創造されたことが分かります。有形世界である現象世界の縮小体として肉身を創造され、無形世界の代表であり、主人として立てるために霊人体を創造されました。したがって、人間は、地上界で百年くらい生きて肉身の機能が終われば、自然に、そして自動的に無形世界の霊界に入っていくようになっているのです。このように霊界は、肉身を土台として生きている私たちの目では見ることができないだけであって、地上生活の自動的で必然的な延長なのです。神様が創造してくださった、人間の永遠の本郷です。

 霊界は、このように厳然と存在します。妄想の世界でもなく、想像の世界でもありません。これは、人間の選択権の外にあるのです。良いからといって行き、嫌だからといって行かなくてもよい、そのような世界ではありません。神様が永遠不変の方であられるように、御自身が創造された霊界も永遠不変なのです。私たちが地上界で、肉身をもって現象世界と様々な関係を結んで暮らすのと同じように、霊界でも人間は、霊人体をもって霊界のすべての現象と密接な関係を維持して生きていかなければならない宿命的存在です。

 

 霊人体と肉身の関係

 

 ところで、人間の霊人体と肉身の関係について見てみるとき、より重要なのは、肉身ではなく霊人体です。肉身は百年くらい生きて死にますが、霊人体は、時間と空間を超越して永生します。いくら地上界で良い服を着て、良い物を食べ、裕福に暮らす人も、結局、死ぬのです。したがって、皆様の人生は、霊的な基準と肉的な基準をよく調和させ、霊肉が一つになった完成実体を成して暮らしてから逝かなければなりません。現象世界であり有限世界である地上界の人生で、肉身を土台として霊人体を完成させるべき責任があるということです。

 ところが、霊人体の完成は自動的にやって来るのではありません。必ず真の愛の実践を通して、体と心が完全一体となった人生の土台の上で、初めて完熟した霊人体が結果として実っていくのです。

 皆様、秋になって、倉庫に入っていくよく熟した果物になるためには、春と夏という過程を経ながら、自然界が提供してくれる栄養素と、主人の細やかな世話が絶対に必要です。無精で見識のない主人に出遭った果樹園の果物は、あらゆる疾病と悪天候に悩まされ、熟すこともできないまま落果したり、虫に食われた果物として分類されたりしてしまうでしょう。果物は果物ですが、同じ果物ではありません。市場に出して売れる完成品にはなれないのです。

 木の上で完熟した果物は、自動的に主人の倉庫に入っていきます。同じように、人間の霊人体は、木と同じ立場にある地上界の人生で完成してこそ、自動的に無形世界である霊界の天国に入っていくのです。言い換えれば、人間は、肉身をもって暮らす地上界の人生で、完熟した人生、すなわち、この地に天国を成し、楽しく暮らしてから逝ってこそ、自動的に天上天国に入城するようになるのです。

 地上界で暮らす間、皆様の一挙手一投足は、このような天の公法を基準として、一つ残らず皆様の霊人体に記録されます。したがって、霊界に入っていく皆様の姿は、肉界での人生を一〇〇パーセント収録した霊人体の姿です。よく熟した善の人生だったのか、虫に食われ腐った悪の人生だったのかは、皆様の霊人体に赤裸々に現れるのです。神様が皆様の審判主ではなく、皆様自らが自分の審判官になるということです。このような途方もなく恐ろしい天理を知れば、どうしてあえて地上界の人生を、あらゆるサタンの誘惑に陥り、利己的で、快楽ばかりを追い求める背徳の人生で終えることができるでしょうか。皆様の霊人体に傷を負わせ、傷跡をつけることは、命を懸けて慎まなければなりません。天国行きと地獄行きが、きょうこの時間、皆様の考えと言行で決定されるという事実を、はっきりと肝に銘じてくださるよう願います。

 ところが、霊人体自体が真の愛の人生を主導し、実践できるのではありません。皆様の霊人体は、必ず体と心の円滑な授受作用によって展開する肉身の人生を土台とした真の愛の人生を通してこそ成長し、完熟し、完成するのです。

 しかし、皆様の中では、外なる人と内なる人が絶えず葛藤し、争っていることを否定し得ないでしょう。あとどのくらいこの争いを継続されますか。十年ですか。百年ですか。宇宙のすべての存在には、厳然とした秩序があります。神様は、私たち人間を、そのように不完全な状態で創造されたのではないというのです。外なる人である肉身の誘惑を果敢に振り切ってしまい、内なる人である良心の道に従って人生の勝利を達成することが、皆様の人間たる義務であり、責任だということを知らなければなりません。このような人生を生きる人には、天運が共にあり、霊人体の完成も見ることができるのです。

 

 天国と地獄の限界

 

 皆様、天国はどのような所で、地獄はどのような所だと思いますか。どのような人たちが入っていく所が天国でしょうか。間違いなく存在するとすれば、そこはどこにあるのですか。天の向こう側の銀河系の外ですか。でなければ、人間の想像力の所産ですか。人間ならば誰でも、一度くらいは自問し、苦悶してみた内容でしょう。

 一言で言えば、天国とは、神様の真の愛が充満し、真の愛が軸となって立てられた世界です。真の愛がすべての環境圏の外形であり、内容である世界です。人生の始まりと終わりが真の愛で一貫している世界です。誰もが真の愛によって生まれ、真の愛の中で生き、真の愛の懐に抱かれ、真の愛の軌道に沿って次の世界の霊界に移っていく人生を生きる人たちの世界です。

 したがって、その世界には、反目や嫉視があり得ず、お互いがお互いのために生き合うことが自然な世界です。お金や名誉、あるいは権力が支配する、そのような世界ではありません。一人が成功するのは全体を代表して成功することであり、一人がうれしく思うのは全体のためにうれしく思うことであり、一人が喜ぶことは全体が共に喜ぶ、そのような姿の世界です。

 天国は、真の愛の空気でいっぱいに満ちている世界です。真の愛を呼吸して暮らす世界です。いつも、どこでも、生命が躍動する世界です。構成員のすべてが真なる神様の血縁として因縁を結んでいる世界です。全世界が私たちの体の細胞のように、不可分の関係で結ばれている所です。神様の本質的愛である真の愛だけが支配する世界です。したがって、神様も、真の愛のために存在されるのです。

 

 真の愛の人生

 

 だとすれば、真の愛とは、どのような愛でしょうか。真の愛の本質は、受けようという愛ではなく、人のために、全体のために先に与え、「ために生きよう」という愛です。与えても、与えたということすら記憶せず、絶えず与える愛です。喜んで与える愛です。母親が赤ちゃんを胸に抱いてお乳を飲ませる、喜びと愛の心情です。子供が父母に孝行して喜びを感じる、そのような犠牲的愛です。神様の人類創造がそうであったように、何ら見返りを期待せず、条件も付けずに与える、絶対、唯一、不変、永遠なる愛の創造です。

 皆様、真の愛は、公益性をもつ無形の秩序や、平和や、幸福の根源です。真の愛は、宇宙の源泉であり、宇宙の中心、宇宙の主人を生み出してくれる愛です。真の愛は、神様の根であり、意志と力の象徴でもあります。したがって、真の愛で結ばれると、永遠に一緒にいても、ただうれしく、宇宙はもちろん神様までも引っ張れば付いてくる愛です。堕落の末裔である人間がつくった国境の壁、人種の壁、さらには宗教の壁までも、永遠に終わらせる力が、真の愛の価値です。したがって、天国に入るのに絶対に必要な条件が、正に「ために生きる人生」、すなわち真の愛の人生なのです。

 ところが今日、私たちが身を置いている現在の世界を見てください。極度の利己主義の罠にかかり、物質万能を叫び、価値観を喪失したまま、享楽と腐敗の沼にはまり込んでいます。アルコール中毒者がはびこり、麻薬やフリーセックスでも足らずに、今では近親相姦という獣にも劣る蛮行を勝手気ままに行っても、堂々と顔を上げて生きています。女王格の女性、祖母格の女性、母格の女性、妻格の女性、娘格の女性、このようにすべての段階の女性たちを蹂躙しても、世の中を闊歩する「人面獣心」の者たちが氾濫する世の中になってしまいました。夫婦同士で、お互いの夫と妻を取り替えて楽しむスワッピングが猛威を振るう世の中になってしまいました。このような振る舞いこそ、人倫道徳破壊の極致であり、堕落行為の断末魔的姿にほかなりません。神様の創造理想世界の完成は、夢にも見ることができない地上地獄になってしまいました。

 

 人間堕落の結果

 

 分かってみれば、このようなすべての問題は、私たちの始祖、アダムとエバの堕落にその根を置いています。長成期完成級にいたアダムとエバが、サタンの誘惑によって堕落してしまいました。時でない時に、性的に堕落してしまったのです。このように、男女間の不倫な性的結合が正に堕落となったので、数千、数万年を経てきながらも、人類がいまだにその堕落の血統圏を抜け出すことができないまま、考えたくもない蛮行を継続しているのです。神様の胸に釘を打ち込む逆賊行為です。

 皆様、人間は、男性も女性も独りでは半分の人間にすぎません。神様の創造がそのようになっています。それで神様は、愛の器官である生殖器の主人を、お互いに取り替えておいたのです。妻の生殖器の主人は夫であり、夫の生殖器の主人は妻だというのです。したがって、お互いに「ために生きる」真の愛を中心として一つになってこそ、相対の主人の位置に立つことができるのです。言い換えれば、人間は、誰彼を問わず、結婚を通して主人の位置を確保するときに、半分の人間ではない、完全な人間になるのです。

 人間の生殖器は、限りなく神聖な所です。生命の種を植える生命の王宮であり、愛の花を咲かせる愛の王宮であり、血統の実を結ぶ血統の王宮です。この絶対生殖器を中心として、絶対血統、絶対愛、絶対生命が創出されます。絶対和合、絶対統一、絶対解放、絶対安息が展開するのです。

 それでは、生殖器の主人の位置を求めて何をしようというのですか。その位置で神様の愛を占領しようというのです。神様は三大愛の主体であられます。天宙の主人として、真の愛の師、真の愛の主人、真の愛の父母であられます。これが正に、真の三大主体思想です。このようなすべての教えと真理が、真のモデル的家庭の人生を中心として創出されるのであり、これを拡大すれば、社会と国家、そして世界と天宙までも、モデル的理想家庭の平和王国に変えることができるのです。

 ところが、堕落することによって、最初のアダムは本然の真の血統を失ってしまいました。したがって、本然の夫婦を成すことができず、本然の家庭を成せませんでした。真の師、真の父母、真の王になるべきだったアダムは、サタンの血統を受け継いだ偽りの師、偽りの父母、偽りの王に転落してしまったのです。

 分かってみれば、イエス様も、この地に降臨した目的が、ほかのところにあったのではなかったのです。第二アダムとして来られたイエス様が、もし十字架で命を失ってさえいなければ、イエス様も堕落とは関係のない本然の天の血統をもって最初のアダムの失敗を復帰し、人類の救世主として真の家庭を立て、人類の本郷である平和理想世界王国、すなわち地上天国をこの地上に創建していたことでしょう。しかし、来られた主を理解し、侍ることができなかった弟子たちとユダヤ教の指導者たち、そしてイスラエルの国家指導者たちの不信が、イエス様の生涯をそのように無念で悲惨な姿で終わらせてしまったのです。

 一つの血筋も残すことができないまま、突然逝かなければならなかったイエス様の恨に満ちた心情を知る者が、どこにいましたか。二千年間キリスト教の歴史が進行してきましたが、本当にイエス様の悲しい事情を想像だけでもしてみたキリスト教徒がいたでしょうか。再臨の約束だけを残したまま、跡形もなく、突然旅立たれたイエス様。その方の肉身は、既に土になってから久しいのですが、天がイエス様を通して成し遂げようとされたそのみ旨は、今、歴史の終末期を迎え、天の印を受けて顕現された真の父母様を通して完成しつつあります。

 しかし、真の父母の使命を完遂すべきレバレンド・ムーンの生涯もまた、言い表せない苦難と迫害でつづられた恨の生涯でした。第一アダムと第二アダムが失敗したすべてを蕩減復帰し、完成しなければならない第三アダムである真の父母の使命は、救世主、メシヤ、再臨主の使命はもちろん、すべての宗主たちの使命までも総合的に完遂しなければならない人生なのです。

 神様の宇宙創造がそうであったように、一寸の誤差も許容できない人類再創造の大役事でした。誰一人として相談すらできない孤独な路程でした。神様までも顧みられず、徹底して独りで訪ねていかなければならない茨の荒野路程でした。幾度も反復される生死の岐路で血を吐きながらも、天との約束を成し遂げるため、再び立ち上がらなければならなかった不死鳥の人生でした。かつて日本留学時代に地下で独立運動を行ったとして、解放直後、共産治下の平壌で天のみ旨を伝播したとして、自由国家として誕生した李承晩政権下でも、そしてさらには、民主主義の世界的な代表国であると誇るアメリカにおいてさえも獄中の苦労を経験するなど、一生に六度も無実の獄中闘争を経なければならなかったレバレンド・ムーンの波瀾万丈な人生を、誰か理解する者がいたでしょうか。かわいそうな神様のために、そして死亡圏で苦しむ堕落した人類を救ってあげるために、歯を食いしばって耐えて生きてきた悲惨な生涯でした。今でも誰かが、私のこのような心情の内縁をかいま見、一言だけでも投げ掛けたなら、私の涙は滝のようになるでしょう。

  

 天国はまず家庭から

 

 皆様、しかし、今ではもう罪悪の蕩減復帰時代である先天時代が過ぎ去り、天法によって治める法治時代、すなわち後天開闢の時代が到来しました。真の父母様から祝福結婚を受けて血統転換を完成し、「正午定着」的な人生、すなわち影のない人生を営みさえすれば、皆様は今から自動的に天国に入っていける、恩賜圏の時代に入ってきているのです。まずこの地上界で真の家庭を立てて、天国生活をしてから人生を終えれば、そのまま天上の天国に連結され、永生を享受するようになるのです。

 したがって皆様は、今から家庭という枠組みの中で、神様を一番上の父母として侍り、全員が子女となり、共に暮らし、共に楽しむ血縁的生活によって、完成した父子関係を形成しなければなりません。神様と真の愛の相対圏を成して暮らしなさいということです。

 ところで、天国は、地上界で先に成されなければなりません。有形世界の天国が無形世界の天国を成す前提条件になるということです。したがって天国は、銀河系の向こう側に隠れている空間の世界でもなく、人間の頭脳の中にだけ存在する想像力の産物でもありません。皆様の真の愛の人生を通して、初めて創造される実体的な地上天国のことをいうのです。その基盤の上に肉界を抜け出れば、自動的に無形実体の天上天国に入っていくようになっています。地上界で天国生活をしてから逝ってこそ、天上でも天国生活ができるようになる、ということです。

 木の上でよく熟した実であってこそ、倉庫の中でも最上の収穫品として分類されると言いました。皆様の人生が、木の上から虫に食われた地獄行きの人生になってはいけない理由が、正にここにあります。結局、天国と地獄は、皆様が地上での人生を通して、自ら決定するということを忘れてはいけません。

 

 三代が調和して暮らす家庭

 

 皆様、共に生きる生活の典型は家庭です。父母と子女は愛と尊敬で、夫婦は相互信頼と愛を土台として、兄弟姉妹はお互いに信じて助け合いながら、一つになって暮らす家庭の姿が、正にモデル的理想家庭なのです。真の愛の根に、真の愛の幹が生じて、真の愛の実を結ばせる、真の家庭を取り戻さなければならないということです。

 そのような家庭には、歴史の根が生きており、天国の根が張っているというのです。地上天国の根が張っている所が、そのような家庭です。永遠に継続する王権の根も、ここに定着するのです。過去、現在、未来の根が、それぞれ祖父母、父母、孫と孫娘に代表され、過去の根は霊界を代表し、現在の根は現世界を代表する王宮であり、未来の根は孫と孫娘を王子、王女として立て、二つの世界、すなわち霊界と肉界を代表する平和の宮殿を建てて暮らすのです。

 このように、祖父母、父母、孫と孫娘を中心として、三代が一つの家庭で、永存される神様に侍って暮らす天一国家庭を探し立てることが、氏族的メシヤの責任であり、平和大使の使命であり、神様の願いであることを知らなければなりません。

 人類が一つの家族となり、お互いに心の壁を崩し、国家間の国境までも除去しようという共生・共栄・共義社会の実現運動も、このように一つの家庭から始まるのです。したがって、私たちが真の家庭を探し立てることは、この地において天宙平和王国創建を早める摂理的召命だ、ということを肝に銘じなければなりません。

 神様も、どこかへ外出しても懐かしく思って、再び訪ねてこられる家庭を築きなさいというのです。父母が子女の家を訪ねるように、喜びの心で気楽に訪ねられる家庭を準備しなさいということです。それが、正に神様に侍って暮らす生活です。そのような家庭では、神様が縦的に良心的な主体になり、皆様の心は、その縦的主体に従って自分自身の縦的主体の立場に立って、心と体を統一するのです。そこでは、父母の愛、夫婦の愛、子女の愛、兄弟の愛、このように四大愛圏、すなわち四大心情圏が完成するのです。このような家庭になれば、上下、前後、左右が一つに連結された球形運動を継続するようになり、したがって、永存するようになるのです。

 もし世界が、このような真の家庭で満ちるならば、そこには弁護士も、検事も、さらには判事も必要なく、天道と天法が治める世の中になるでしょう。皆様も一度考えてみてください。誰が皆様の善し悪しを一番よく知っていますか。皆様の祖父母であり、皆様の父母であり、皆様の夫、皆様の妻、皆様の子女たちです。

 家庭の中で解決できないことがあるでしょうか。父母と子女が、夫と妻が、兄と弟がお互いに「ために生きる人生」の模範を見せるとき、許し難い過ちを犯したり、罪を犯す隙間がどこにあるでしょうか。天理と天道が治める世界は、自然のままの世界です。遮るもののない真理と道理に従う世界です。影が生じない絶対価値による「正午定着」の世界です。

 尊敬する「蒙古斑同族連合」の代表の皆様! このような驚くべき摂理的な時を教え、悟らせてくださった神様と真の父母様に、私たち全員が感謝と栄光をお返ししなければなりません。

 「蒙古斑同族連合」は、今、使命が明確になりました。「天宙平和連合」を縦的なアベルとし、そして世界の宗教圏と国家圏を横的なアベルとして侍り、カイン的立場に立ち、この地に平和理想世界王国を創建する主役にならなければなりません。

 皆様は、今摂理的四次アダム心情圏の時代である解放・釈放時代、すなわち後天開闢の時代に進入しています。蕩減復帰で染まっていた旧約、新約、成約時代までの先天時代を勝利した、影のない「正午定着」時代であり、アダムの堕落以前の本然の理想世界を創建していく時代です。平和の王、真の父母を中心として、霊界と肉界が一体圏を成した全体、全般、全権、全能の真の愛の心情圏の時代、すなわち天宙平和統一王国の時代を意味するのです。

 皆様全員が、億兆蒼生の平和の王である神様を、真の父母として侍って暮らす、真の王子、王女になってください。真の父母様の祝福結婚を受けて血統転換を完成し、「蒙古斑同族連合」を「蒙古斑血族連合」に還元させましょう。これが正に皆様に下された天命であることを肝に銘じ、天宙平和統一王国創建の真なる主人になりましょう。

 皆様の国家と家庭の上に、天の恩寵が満ちあふれることを願います。ありがとうございました。