平和メッセージ15

摂理的観点から見た三大主体思想

 

(このメッセージは、2007年7月4日、韓国の忠南・天安市の柳寛順体育館で開催された、「2007世界文化体育大典(WCSF)」の統合開会式で講演されたメッセージです)

 

 

 尊敬する国の内外の皆様、そして各種大会に出場される選手団の皆様、人類の真正な平和の祭典として、その位置を確かなものとする「二〇〇七世界文化体育大典」に参席してくださったことを、心から感謝申し上げます。

 「天宙平和神文明開闢時代の到来」という旗を、高々と掲げて出発する今回の大典は、世界六十五億の人類を神様のもとの一家族にするための、和合と平和の新しいパラダイムを創出する大会となるでしょう。

 

 終末期に置かれた人類

 

 皆様、今日の世界を観察してみてください。世界のどこで、真に人類の将来を案じ、超宗教超国家的次元で、人類の和合と平和のために「殺身成仁」(自己の命を投げ打って仁道のために尽くすこと)する指導を探し出すことができますか。人類は今、父母を失った孤児であり、師を見ても分からない不良児であり、主人を失った僕の境遇となって、一寸先も見ることができない青盲(目は開いていて、物の見えない眼病)の人に転落しています。

 世界には今、二百以上の国家がありますが、国家間の関係を見ても、すべて自国の利益にのみ目がくらみ、直接・間接的に熾烈な戦争を継続しているではないですか。人類の福祉と平和のための崇高な志を立てて出帆した国際連合(UN)もやはり、今やその限界点にぶつかり、戦争、飢餓、疾病などの世界的危機に直面しても、万策尽き袖手傍観に明け暮れる、有名無実の機構になりつつあるではないですか。

 人間は、自らを「万物の霊長」という位置に立てて歴史をつくり出してきました。恐るべき殺戮戦と天災地変を経てきましたが、人類は今も生存し、繁殖を繰り返し、漠然とではありますが、より明るく幸福な世界を追求しています。それでは、なぜ人類は、いまだに罪悪と疾病の泥沼から抜け出すことができないのでしょうか。

 

 三大主体思想

 

 皆様、人類が直面しているこのような悲劇的な現実を打開し、神様のもとに太平聖代の人類一家族をつくる摂理的召命を完遂するため、私は、去る二〇〇六年六月十三日、「天正宮博物館奉献式および天宙平和の王戴冠式」を期して、天一国の市民であれば、誰もが知って実践躬行しなければならない天道的次元の基本義務と使命を宣布しました。それとともに、きょうは、「摂理的観点から見た三大主体思想」に関する内容のみ言をお伝えしようと思います。人類の未来を導いてくれる重要な教えとして下さった天の祝福です。どうか心の門を開いてこのみ言を受け入れ、皆様の永生を準備してくださることを願います。

 皆様、人間には、太初に創造されるとき、神様から賦与された三大基本主体思想があるということを知らなければなりません。その一つは、真の父母にならなければならないという思想です。神様は、人間を我が子として創造されました。したがって、人間は、神様から受け継いだ原理的自律成長圏を経て、自ら人格完成をなし、真の子女の位置を確保し、真の夫婦を成して子女を繁殖させることにより、真の父母の位置にまで行くようになっていたのです。創造とともに賦与された真の愛を実践躬行し、人間完成をなさなければならないという意味です。

 しかし、今日の世界は、人倫道徳が手のほどこしようもなく崩れていっています。父母と子女間の天倫が地に落ち、夫婦間の貞節は既に旧世代の産物として捨てられ、兄弟間の友愛も、今や利己的個人主義の沼に埋もれ、見いだすこともできない世の中になりつつあります。したがって、人間は、何よりもまず真の愛に基づく真の家庭を築かなければなりません。真の父母を中心として三代圏を成し、真の愛で一つになって生きる家庭を完成しなければならないという意味です。

 二番目は、真の師にならなければならないという思想です。たとえサタンの影響圏から抜け出せないでいる今日の世界であっても、人間は、一生を送りながら、どんな形態にしろ、教える者と学ぶ者の関係の中で生きていくようになるのです。まず、家庭において、父母を通して学ぶようになります。師の中の最初で最高の師は、皆様の父母です。真の師の位置で、真の子女を育てなければならない最初の責任が父母にあるということです。

 このように、真の父母から真の善の家庭教育を受けて成長した子女は、自動的に学校教育に連結されます。学校教育は、一段階発展した制度圏内での教育です。しかし、学校という枠の中でも、師は、真の父母の心情をもち、すべての学生を真の子女として育て教育すべき責任があります。横的な学問教育も、縦的な人性教育に基づいて展開すべきだという意味です。したがって、師はまず、真の父母の心情を所有した師にならなければなりません。

 三番目は、真の主人にならなければならないという思想です。元来、万有の真の主人は、宇宙を創造された神様であられます。そして、神様の創造は、絶対信仰、絶対愛、絶対服従の基準で達成された完全投入の結実です。ここから私たちは、真の主人になる知恵を学ぶようになります。真の愛を絶対基準で投入するという秘訣のことです。このように、真の主人になる前提条件も、真の父母の心情を所有することです。

 

 三大主体思想の有機的関係

 

 ところで、この三大主体思想は、相互絶対不可分の有機的関係をもっています。真の父母、真の師、真の主人、すべてが主体的位置に立つこともでき、対象的位置に立つこともできるからです。言い換えれば、真の父母の位置だけを確保しても、そこには真の師、真の主人の位置が生じ、真の師の位置に行けば、そこには真の父母、真の主人が共にあり、真の主人の位置だけを確保しても、皆さんは真の父母、真の師に会うようになるという意味です。人間は元来、神様の完全なる三大主体思想を相続して生まれてきたからです。

 皆さんが、このような三大主体思想を完成した人格者になろうとすれば、神様のようにならなければなりません。神様のような心をもたなければならず、神様が万有を愛されるのと同じような絶対基準で人間を愛し、万物を愛することができる神人愛一体の境地まで行かなければならないということです。そのような境地には、真の父母、真の師、真の主人がすべて同じ場所で出会うのです。

 世の中は、様々な組織体と、それに関係するものとの調和の中で運行されています。複雑で多様なこの世で、真の主人にならなければならないという思想は、人間と人間の関係はもちろん、人間と万物の関係にも適用される思想です。問題は、どのような人間に対して、「真の主人である」と言うことができるのかということです。より他のために配慮して献身、奉仕する「ために生きる人生」、すなわち真の愛の人生を実践躬行する人が真の主人になるのです。真の愛をもって万物を愛し、保護、育成する人が、万物に対しても真の主人になるのです。

 このように、真の主人は、その地位や位置によってなるのではなく、その人の人格と愛によってなるのです。父母の心情ですべての職員たちを愛し配慮する社長は、その会社の真の主人になるのであり、父母が子女を育て大切にするように、民を愛し、民と苦楽を共にできる大統領こそ、その国の真の主人になるのです。

 

 良心は真の父母、真の師、真の主人

 

 皆様、神様の創造は、実に神秘で奥深さにあふれています。人間を、御自身の子女として創造され、万物の霊長として立てられた神様は、人間に「良心」という、最高、最善の贈り物を下さいました。人間が地上界で一生を航海するのに必要な羅針盤として下賜されたものが、良心という特別な贈り物です。よく人生百年と言いますが、人間は誰彼を問わず、生まれて死ぬ瞬間まで、良心の作用圏を抜け出すことはできません。

 そして、良心の作用の中で、最高、最上の機能が正に、真の父母、真の師、真の主人の役割の機能です。言い換えれば、良心は、私たちが生まれたときから真の父母、真の師、真の主人の位置で私たちの生を指導し、教育する、神様の代身者であるということです。私たちの一挙手一投足を、一時も逃すことなく導き、監視する責任が良心の機能だということです。

 ですから、良心は、私たちのすべての言行はもちろん、考えまでも父母よりも先に知り、師より先に知り、神様よりも先に知るのです。神様が、人間の人生を指導し監視する本源的な機能を、良心に伝授してくださったからです。ところで、水晶のように清く透明でなければならない人間の良心に、堕落性の垢がつき、今まで様々な罪悪と疾病の中で本来の機能をすべて発揮できずにいるのです。したがって、サタン主管圏のこの邪悪な世界から一日でも早く解放・釈放を受けたいと、泣き叫んでいる良心の声を聞ける皆様にならなければなりません。

 しかし、そのような堕落した人間の力では、良心の機能を本然の位置に戻せる道はありません。天との縦的な関係が垂直を成すことができずにいるからです。六十五億の人類すべてが、自分なりの角度をつくり、それが正統であり最高のものであると錯覚し生きているのです。絶対的基準を形成して測定できる最短距離の垂直の角度が出てくるまでは、救援を受けられる道を誰も探し出せないということです。

 愛する世界の指導者の皆様、歴史上、いまだかつてなかった位置で、人類をサタンの束縛から救い、天国へと導いてくれる鍵をもって来られる方が、正に今、皆様の前に立っているレバレンド・ムーンです。本人が願ったとしても、決して探し出せる位置ではありません。天が印を与え、人類の救世主、メシヤ、再臨主、真の父母として立てられる位置です。サタンの影響圏外にある絶対解放・釈放の位置です。六十五億に分かれている人類を、九〇度の角度の垂直の道に再び連結させてくれる真の父母、真の師、真の主人の道、すなわち良心を主人として侍って生きる真理の人生を、直接実践して見せてくださる方が、正にレバレンド・ムーンだということです。

 三千億を超える絶対善霊になった霊界の人類も、この事実を異口同音に証しています。イエス様をはじめとする四大聖人はもちろん、共産主義者たちを含むすべての思想家や哲学者までも、この驚くべき現実を前に感謝の涙を流しています。霊界に行っている彼らまでも、真の父母の祝福の恩賜を通さなければ、救援を受ける道がないからです。

 

 交叉・交体祝福結婚の偉大性

 

 皆様、今や真の父母であられるレバレンド・ムーンの教えを受け入れ、交叉・交体祝福結婚を通して、「神様のもとの人類一家族」の天命を果たすべき時を迎えました。人種、文化、宗教、国家を超越して、人類を一つにし、戦争と葛藤のない創造理想世界、すなわち地上・天上天国を創建することができる道は、全人類が神様のもとで一つの家族になること以外にあるでしょうか。皆様が知らない間に、真の父母様は、既に人類はもちろん、神様までも解放・釈放する後天開闢の時代を宣布し、世界の至る所で革命の炎をともしています。真の父母、真の師、真の主人にならなければならない真理の革命です。

 皆様、「二〇〇七世界文化体育大典」の基本精神も、人類を一つの家族にする聖業の完成にあります。宗教家、文化人、体育人など、すべての人たちに、「天宙平和神文明開闢時代」を花咲かせるべき使命があることを忘れないでください。特に、すべての宗教家たちが、この神聖な真の愛の革命の隊列の先鋒隊となるべきだということを、肝に銘じてくださるようにお願いします。レバレンド・ムーンは、既にすべての準備を完了しました。

 この地球星を神様が願われる理想天国にするため、五大洋六大州を連結し、巡回して疾走できるようにする「世界平和超高速道路」建設の一環としてベーリング海峡にトンネルを通す、世界最大のプロジェクトを進めています。世界平和具現の崇高な志を抱いて出発したUNが、有名無実な機構に転落した現実を無視することができず、私はUNの刷新を推進しています。それと並行して、「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきだ」という次元で、私は、人類を天宙平和神文明開闢時代へと導く新しい「平和UN」、すなわちアベルUN(天宙平和連合)を創設し、世界百二十カ国以上の国々から支持を受けています。

 皆様は今や、真の父母を信じて従いさえすればよいのです。良心の羅針盤に従い、真の父母、真の師、真の主人の位置を確保し、永生を保障する真の愛の人生を実践躬行してください。皆様の門出に天運が共にあり、皆様の祝福を受けた善なる先祖たちも、皆様の活動に積極的に協力するでしょう。勇気をもって前進的発展を促進してください。

 すべての皆様が、三大主体思想による太平聖代平和王国時代の到来に億万歳を叫ぶことができる、真の家庭理想を完成することを願います。

 ありがとうございました。